言葉を/が取り戻す暮らし(入山 頌)
詳しいことは書けないけれども、昔お世話になった人が大きな事故に遭い、身体がなかなか昔のようには動かない、重い症状を負ってしまった。
私にとってその人は寡黙な人で、あまり多くの言葉を交わしたわけではなかったけれど、とても ...
ユートピアの対立、あるいは暮らしの省察(入山 頌)
一緒にコーヒーを入れるだけなのに、喧嘩をしていたことを思い出す。それはそれはつらかったが、コーヒーを淹れるぐらいのことで喧嘩が成り立つのは不思議なことだ。コンビニや自販機でお金を払い、紙コップに注がれるコーヒーを眺めながらそんなこと ...
自足 self-sufficiency
足が思うように動かないのであれば、杖を使うべきではない、義足も使うべきではない、と、思想家イヴァン・イリイチはいう。その人の苦しみが、その人自身のものになるようにしなければならない、と。そして、もっと単純にならねばならない、と付け加 ...
家父長制の記憶、あるいは音楽
祖父の暴力は日常的で、それはものすごいものだったが、わたしはその標的にはならなかった。倒れる前は、よくかわいがってもらっていた。母に見つからないよう、よく祖父のところへかりんとうをせびりにいった。走る電車をみによく近所の踏切まででか ...
なんにもなかったね
あの人、結局なんにもないんだよ。
からっぽなんだよね。
一生懸命子育てしたって言ったって、「一通り」やられただけ。
感謝はしてるけど。
母と電話をした。1時間くらい。
少しず ...
【赤松啓介を読む②】「私もその一人であった」(入山 頌)
昨日のイチケイのカラスみた? 竹野内豊チョーかっこいいよね。ひょうひょうとしながら、法の場にできるだけ多くの判断材料を示そうとする裁判官。わたしたちって、悪に過敏なくせに自分たちのなかにある悪意にはあ ...
【赤松啓介を読む①】「ブレスタグラマー・AKAMATSU」(入山 頌)
かれこれ2年半くらいお世話になっている民俗学の勉強会で、赤松啓介について発表することになった。
民俗学っていうのは、身の回りのものが昔どんな感じだったのか、その歴史上の変化を調べて明らかにする学 ...
あばよ20代(入山 頌)
来年、30歳になる。
てやんでえ、くそったれ20代。おとといきやがれ。二度と顔みせんじゃねえぞ!
やっと20代が終わる。いいことなんか一つもなかった。
18の頃、映画観て、喫茶店入って、なんか雑貨屋さん ...
キュー◯ーしったかぶりクッキング「しったかルーローハン」(入山 頌)
みなさん、ルーローハンを知っていますか?
あの、漢字で書かれると読めないでおなじみの魚料理です。
ぼくは知りません。
でも作りました。
材料はこちら。
【食材】
豚肉 ...
一人暮らししたいマンが一人暮らしするまでの読書ノート――その0(入山 頌)
1.一人暮らしがしたい
実家を出たい。っていうか、実家って言い方なんだよ……。好きだろうが嫌いだろうが、愛せようが愛せまいが、実家は実家だ。こんな理不尽な話ある? パパンとママンがラブラブだろうがそうじゃなかろうが、子ど ...