わいがやの食べ物の謎

元日に、レーズンで天然酵母を仕込んだ。翌日には気泡が立って、しばらくするとなんとも言えない良い香り。新鮮な醸造酒のようだ。1週間経ってやっと完成した酵母で元種を作り、結局パンを食べることができたのは、1月9日だった。
初めて作った天然酵母のパンに満足して、他のレシピも探していたら、酵母を起こしたあとのレーズンを使ってパンを作ることもできることが分かった。そのレシピを見ながら、わいがやのトーストのことを思い起こした。
今は不定期営業になり、いちじくやクランベリーのパンを使っているが、元々わいがやのトーストは、チーズとレーズンが1枚ずつ。このレーズンのパンは、仕入れ先である市内のタルムリエというパン屋さんがわいがやのためだけに焼いてくれているものだった。
私は、そのことがずっと不思議だった。いちじくよりポピュラーな気がするレーズンのパンをなぜお店で売らないのかとか、逆にわいがやのためだけにレーズンを仕入れてくれているんだろうかとか。
でも、自分で天然酵母を作ってみて、もしかしてあのわいがやのためのパンのレーズンは、酵母を起こした副産物だったのだろうか、と初めて思い至った。全然違うかもしれないけど、ひとつ謎が解けたみたいな気持ちがする。

わいがやの食べ物には、他にも謎が多い。トーストセットは、チーズとレーズンのトースト、ゆで卵、ヨーグルト。こんなにたくさんついて、お腹いっぱいになるのに、飲み物+230円。今はコーヒー(220円)よりも高いけど、私がスタッフになった頃は+180円で、コーヒー(200円)よりも安かった。
思うに、これはいわゆるモーニングの発想である。わいがや創設期のスタッフの中に、名古屋出身の人がいたのではないだろうか、私はずっとそう推理している。

いずれにせよ、わいがやの食べ物も飲み物も、なんでもないものかもしれないけど、でもひとつひとつが特別なものだ。
1月から食べ物の提供が再開されるらしい。私はしばらくは行けないけど、早くトーストセットを食べたいなぁ。

その他

Posted by yuk